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鈴木 道隆*; 田中 豊*; 飯村 健次*; 佐藤根 大士*; 石井 克典
no journal, ,
キャッピングは、粉末成型用のピストンの底面に円錐状に粉末が付着する現象であり、粉末成型時の主要なトラブルの一つである。キャッピングがなぜ起こるか、どんな条件が関係しているかは、未だに明らかにされていない。そこでわれわれは、X線CTを用いて、紛体層の圧縮時に発生するキャッピング現象を観察した。実験には粒子径20-150ミクロンのアルミナ、及び本顆粒をふるい分けして粒度分布の幅を狭めたものを用いた。材料試験機を用いて紛体層を圧縮し、X線CTで得られた画像から、キャッピングの領域を検出し、キャッピングの深さを測定した。実験結果から、顆粒の粒度分布の幅が広い場合には、より小さなピストン変位でキャッピング現象が起こりやすいことが明らかになった。これは幅広い分布に含まれる微粉とピストンの間に作用する付着力が大きいためである。キャッピングの深さはピストンの変位が増えるにつれて増加し、変位が1mmを超える領域では、顆粒の破壊が進むため一定値に近づいた。結論として、キャッピングは粒子径が大きくて単一粒子径の顆粒を用いることにより抑制することが可能である。